親鸞聖人の浄土真宗の教えをその著『教行信証文類』を基に学びます。
仏教学や真宗学などの視点も大切に学際的に深く広く真宗の教えを受けとめていきます。
学院案内
科目・講師紹介
真宗要説
講師 : 本多 靜芳
三経要説
講師 : 渡邊 了生
親鸞聖人は「法性法身ともうすは、いろもなし、かたちもましまさず。しかれば、こころもおよばず、ことばもたえたり。この一如よりかたちをあらわして方便法身ともうす、その御すがたに法蔵比丘となのりたまいて不可思議の四十八の大誓願をおこしあらわしたまうなり。」「しかれば阿弥陀仏は光明なり、光明は智慧のかたちなりとしるべし」と示されます。
<三経要説>では、まず、その「智慧のかたち」としての根本経典「浄土三部経」の読み解き方を学びます。その上で『大無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』それぞれの要義を確認し、宗祖の特徴ある「三経」観を見つめていきたいと思います。
本典要説
講師 : 渡邊 了生
親鸞聖人は「如来の弘誓願を聞信すれば、仏、広大勝解のひととのたまへり」「ひかりにあたるゆゑに智慧の出でくるなり」「信ずるこころの出でくるは智慧のおこるとしるべし」「念仏を信ずるは、すなはちすでに智慧を得て仏に成るべき身となる」と語られます。
<本典要説>では、まず宗祖の主著『顕浄土真実教行証文類』の読み解き方を学びながら、「教行信証」の各巻の概要・「真仏土巻と方便化身土巻」の説示にみる「真仮の分判」の意趣を伺います。さらに宗祖の教学的特徴を「信心の智慧」の内実に確認し、煩悩成就の凡夫が「仏に成るべき身となる」、その道理を「罪業もとよりかたちなし」等の宗祖のお言葉の内に見つめていきたいと思います。
七祖要義
講師 : 藤本 真教
「七祖」とは親鸞聖人が師と仰いだ七人の高僧(七高僧)のことです。
七祖には、各時代において阿弥陀仏の本願を明らかにしたという共通点とともに、独自の教学的な特色(発揮)があります。
それぞれの生涯と教学を学び、親鸞聖人に至ったインド・中国・日本にわたる浄土教の展開をみていきます。
和讃要説
講師 : 南條 了瑛
「和語の教行信証」と言われる親鸞聖人の著された「三帖和讃」(「浄土和讃』、『高僧和讃』、『正像末和讃』)を講読していきます。
聖教講讃
講師 : 合群 信哉
親鸞聖人の消息(手紙)を講読します。
消息をとおして親鸞聖人のみ教えの要点を学びます。また、晩年の親鸞聖人の佇まいや関東の門弟たちの動静やみ教えの受容の問題点を紹介します。
仏教要説
講師 : 多田 修
仏教全般に共通する協議の基本的な事柄を講義していきます。特に仏教の要語に注目して、その言葉が表している教えを中心に語っていきます。
仏教の目的は、さとりの境地に到達することです。仏教の要語は、その境地やそこに至る道のりを示すものです。あわせて、仏教と他宗教の関わりについても触れる予定です。
各宗要義
講師 : 鈴木 健太
古代インドで誕生した仏教は、中央アジア、中国・朝鮮半島を経由し日本に伝えられたが、各地でその教義に関する様々な研究がなされていった。それらを踏まえつつ、現在、日本で行われている伝統仏教宗派について、その教義の概要・歴史・現況を解説する。
宗教要説
講師 : 小野島 康雄
宗教学の基本的常識を知っておくことが先ず求められる。
さらに私達(現代の日本人)の多くが無意識といってもよい宗教的前提に光をあてたい。
・『キリスト教と現代思想』現代において暗黙の建て前となっている「リベラリズム」とさらにその前提となる「キリスト教」
・『儒教的な伝統』加地伸行氏の『儒教とは何か』を参考にして儒教が日本佛教に与えた影響を考える
『無宗教とは何か』特に無神論との違いを考えたい
印度仏教史
講師 : 長尾 重輝
仏教誕生の背景にあるインドの思想から、インドにおいて衰退していくまでの間の仏教がどのように展開していったのかを仏教の歴史と思想の両面から辿っていきます。
中国仏教史
講師 : 北條 祐英
仏教は、インドから中央アジア、中国、朝鮮半島を経由して日本に伝わりました。
その、日本に伝わってきた仏教は、中国で梵語(インドの言葉)から中国語である漢文に翻訳された経典に基づいています。ですから、仏教を学ぶためには、仏教が中国でどのように受け入れられ、発展し、変容したかを学ぶ必要があります。
一年をかけて、中国での仏教の歴史を学んでもらいます。
日本仏教史
講師 : 佐竹 真城
日本における仏教伝来から、日本仏教の歴史を概説する。
ただし、単なる「歴史」ではなく「思想史」として捉えていくところに本講義の特徴がある。特に、親鸞聖人との関連を常に念頭に置きながら、鎌倉時代まで講義することを目標し、それ以降の時代の仏教についても扱う予定である。
真宗史
講師 : 酒井 淳
法然上人を通して専修念仏に遇われた親鸞聖人が九十年の御生涯を生き抜かれた時代的背景、仏教界の状況を踏まえ学び、また親鸞聖人によってご本願に出遇ったお弟子たちによる布教伝道の広がりを追っていきます。
親鸞聖人のご往生の後、廟堂をもとに成立した本願寺と廟堂を護持しつつ御教化くださった歴代宗主の活動、特に室町期本願寺の教線を拡張された蓮如上人のご教化、そこに集う人々が一揆(連帯)して力を持つ経緯、その後、織豊政権から江戸幕藩体制化の為政者の宗教政策とそれに対応していった本願寺教団の姿を学びます。また江戸期に振興する教学とその中で起こった宗義論争も概観します。
また、幕松から明治維新へと時代が近代と展開する中、教団組織の近代化とそれに対応していった真宗者の行動と思想を観ていきます。
伝道(布教)
講師 : 白川 淳敬
講師 : 成田 真二郎
「遠く宿縁を慶べ」阿弥陀様との出遇い、そして、みなさんとの出遇いを慶び、大切にしていきたいと思います。
今、こうして学院で学んでいることを振り返ると、そこには多くのご縁があったはず。学院で学んでいることが当たり前ではなかった事の驚きと感動。慶びは必ず人から人に伝わります。ご一緒に学ばせていただきましょう。
伝道と教養
講師 : 熊原 博文
ご消息を仰ぎつつ、ご法義を深めていきます
勤式・声明
講師 : 村松 雅文
講師 : 星 乗雄
講師 : 佐々木 理絵
勤式・声明では浄土真宗本願寺派の僧侶とならせていただくための得度習礼、教師授与の申請資格を得るための教師教修に臨むために必要な儀礼・作法・声明について実践を重ねる中で理解と知識を深めます。
ご自身でご用意いただいた袈裟・衣などを用いて、僧侶として基本となる着用練習や、法要儀式の実習も特別講義の時間を設けて行います。
またそれらを通し、僧侶として生きていくために大切な「仏様を敬う心」を育むことを目指します。
宗門法規
講師 : 中尾 史峰
この「宗門法規」という講義は、浄土真宗本願寺派(宗派)という包括宗教法人と本山・本願寺・直轄寺院・直属寺院及び一般寺院に区分される単位宗教法人で、かつ宗派に包括される被包括宗教法人で構成される宗門の全体像を明らかにするために規定される諸規則について、その概要を説明するものです。
テキストのほかに、必要に応じてプリント資料を配布する予定です。
仏教音楽
講師 : 南荘 宏
祈りや信仰の歓びは言葉となり、メロディやハーモニーが醸し出されて宗教的感動が増幅されます。ですから、宗教と音楽は切り離せません。
仏教には伝統的な「声明」や「雅楽」、また、「御詠歌」というものがありますが、そのような流れとは別に、明治以降に入ってきた西洋音楽と仏教的詩が結びついて誕生した「仏教唱歌」があります。それらは「讃仏歌」や「仏教讃歌」と名前を変えながら発展してきました。この流れを今日まで積極的に継承してきているのが浄土真宗本願寺派です。
この授業では、数々の「仏教讃歌」と「音楽法要」について学びます。
実践運動
講師 : 宮本 義宣
浄土真宗本願寺派がこれまで取り組んできた運動を学ぶことで、これからの自身の歩指針となっていければと願って講義いたします。
より多くのディスカッションの時間を設けたいと考えています。
僧侶養成基礎講座
講師 : 南條 了瑛
得度・教師をお考えの方を対象とした基礎講座になります。テキストは『僧侶教本A・B』を用います。
特別講義
講師 : 相馬 一意
講義タイトル:『教行信証』ご自釈にみる宗祖の教義-真宗教義の肝心-
『教行信証』全巻を通じての宗祖のご自釈文を確認しつつ、真宗教義の肝心となる教えを講義する。
もちろんのこと、本願・名号・信心・正定聚等の教義が中心となるが、本年度を最後の講義とするつもりなので『観経』に関わる「機の真実」や隠顕釈等に重点を置いて語る予定である。
講師 : 和多 善秀
日本の仏教界には、文部科学大臣所轄包括宗教法人として、156の仏教宗派が存在しています。「浄土真宗本願寺派」はその一つです。
日本仏教の主な宗派とその取り組みについて、まじめにおもしろく、紹介させていただきます。
講師 : 木村 共宏
寺院・僧侶と取り巻く環境と仏教の可能性についてお話します。
厳しいと言われる環境について、どう厳しいのか、なぜ厳しくなったのか、現状のファクトや歴史的背景を説明します。
同時に仏教にとってチャンスでもある世界的な動きなど、これからの可能性についても触れたいと思います。
※講義内容は予告なく変更となる場合があります
講師 : 東森 尚人